『一人に”ひとつ”のコーチを』株式会社Sportip 高久氏

2020.03.27

1.1分で走りを最適化!Sportip代表高久さんが生み出すAIサービスとは


田原彩香氏(以下、田原):この番組は「バンドオブベンチャーズ」がお送りします。毎回のゲストには今をときめくベンチャー経営者・投資家を迎えまして、インタビューをしていきます。さて本日は、Sportipの高久さんにお越しいただいております。パーソナリティはビジネスタレントの田原彩香が渋谷道玄坂スタジオからお送りいたします。

さあ、それでは高久さん、自己紹介をお願いします。

高久侑也氏(以下、高久):はじめまして、株式会社Sportipの高久と申します。もともと野球を12年間やってまして、そこで病気になってしまって野球ができなくなってしまったという原体験から、この会社を立ち上げております。今はフィットネストレーナー向けのアシスタントAIということで指導を効率化、アップデートするようなAIを開発しております。今日はよろしくお願いします。

田原:よろしくお願いします。もともとスポーツマンだったわけですよね?

それをきっかけに今はSportipという、会社名からもスポーツ感あふれるような名前でプロダクトを作っていらっしゃるということなんですが、最近ご活躍されているなあというのをお見受けして、今日はお呼びしてゲストに来ていただきました。2019年11月はGESAの日本の予選にて総合優勝ということで受賞されていますよね。これは、EdTechスタートアップコンペということですよね?

高久:これは、教育×スタートアップという形のコンペになります。

田原:なるほど。高久さんのフェイスブックでも見たのですが、高久さんがあまり笑っていない表情で、嬉しそうでない表情で優勝の写真にうつる、みたいな、そんなエピソードもありましたが(笑)

高久:そうなんですよ。隣にいらっしゃった、経産省の方のほうが笑っているというよくわからない写真になっていました(笑)

田原:そうですよね、あれは不意打ちの写真なんですか?

高久:そうですね。本当に嬉しいんですけど、あまりよくない表情が切り取られている、ということです(笑)

田原:けっこうみなさん賞とられるといい笑顔だったりで、こういう写真なかなか見ないので、バッチリ決めている方が多い中、面白いなあと思って笑っちゃいました。(笑)

今はすごく笑っていらっしゃいますので、たまたまだったんですね!

プレゼンした内容は、新しくリリースしたアプリだったんですか?

高久:はい、今月リリース予定のSportip アシスタントAI for トレーナーという、トレーナーのアシストをするようなAIを紹介させていただきました。教育というと、学生をイメージしがちなんですが、我々は指導者を教育するという形でプレゼンテーションさせていただきました。

田原:なるほど、研修など受けてもらって指導者を上達させるのってなかなか時間がかかりますよね?

高久:そうですね。時間もかかりますし、フォットネス業界において言えば、技能がつけばつくほど独立してしまうという課題も存在しております。

田原:なるほど、それはスポーツをやっていたからこそ、わかることでもありますよね?

今のSportip アシスタントAI for トレーナーは、いくつめのアプリ、リリースなんですか?

高久:アプリ自体はこれが初となっています。

田原:初!おめでとうございます!

高久:クローズドベータでは今年の9月くらいから続けてやってきたんですが、そこから改善を繰り返してようやく今の形になっております。

田原:β版で3ヶ月くらいですかね?運営してみて、改善点をしっかりと確認して、新たにリリースということですね。

高久:まだまだのプロダクトなので、ここから追加機能とか改善もありますけれども、一旦はここでリリースという形ですね。

田原:まだまだ間もないとは思いますが、反響などはいかがですか?

高久:やはり売上をあげていくという側面でも貢献できているというお話をいただいておりますし、本質的な指導のところでも効果が出ているとトレーナーの方からは喜んでいただいておりますね。

田原:これから色々な方に使っていただけるように広げていくんですよね?

高久:そうですね、今はパーソナルトレーナーの方に使っていただいているんですが、来年以降、今年もそうなんですが、大手のジムにも導入できるように進めている状態ですね。

田原:そうなんですね。私も運動不足なので、ジムなど行かなきゃなと思いながら、正直行けていないんですよね。でも行って、自己流になっちゃうと楽しくないというか、誰か教えてくれる人がいないとなかなかモチベーションも保たれないし、そういった面もありますよね。

高久:そうですね。パーソナルトレーナーの方であれば、そういった方をしっかりと指導できるように、たくさんの方を指導できるように、効率化してあげる、というところがポイントになります。あとは最近24時間のジムも増えていると思うのですが、あそこだと本当にやり方がわからない女性とかが価格が安いということで入って、結局やり方がわからなくてランニングマシンだけ使って帰る、みたいなことがあるんですね。そして3ヶ月でやめちゃうんですよ。そこも我々のAIでサポートすれば改善できるんじゃないのかなと思っています。

田原:ランニングマシンはわかりやすいから、とりあえずそれだけやって満足した気になるみたいな感じですよね。筋トレとかしてみたいんですが、難しいんですよね。でもSportip for トレーナーがあれば、そういった方でも使うことができるということですね!

そして、12月にKDDIさんとランニングAIコーチングサービスのRunning form Analyzerもリリースされておりますよね?

高久:竹橋の方の皇居の周辺にあるランニングステーションの中に、ランニングマシンを1分間走ると自動であなたの悪いところとか、あなたに会ったシューズとか、トレーニングメニューを指導してくれるAIのアプリを提供させていただいております。

田原:1分で、まずはヒアリングというか、今の現状を効果検証して、それでその人に合ったものを提供してくれるということですか?

高久:1分走るだけで、その人に合ったフォームの指導とか、あとは着地というのも実は判定しています。かかとから着地するのか、全体からなのかつま先からなのかそれによって、靴を提案しているんです。これは実はサロモンというスノーボードとかで非常に有名なブランドがあるんですが、そのサロモンとも一緒にやらせていただいておりまして、シューズも提案させていただいております。しかも、それを借りて、皇居ランにいけるというそういう体系になっております。

田原:あ〜繋がってきました。だから、皇居があるし、靴も自分に合ったものが使えるということですね。オーダーメイドというか、本当に自分に合ったもので走れるというのはすごくいい気分ですよね。

高久:はい、怪我もなくなるような形で、フィードバックさせていただいております。

田原:なるほど、そういった方向にも展開できるんですね。

でも今月はお忙しいですよね、Sportip アシスタントAI for トレーナーをリリースして、KDDIさんともリリースして。師走ということもありますかね?

高久:たまたま年末に集中してしまったんですけど、本来はもう少し早めにできればと思っていた形ではありますね。でも2020年以降は、こういった形で豊富にリリースをしていきますので、もっとスピードを上げていければと思っておりますね。

田原:2020年、色々仕込んでいるんですね!開発していったりとか、大注目ですね。ちょうどリリースされたということですので、こちらみなさんもトライしてみてください!

2.フィットネスとAIでイノベーションを生み出すメンバー募集!Sportipはアプリで世界を席巻する


田原:ここでSportipがどんな会社なのか聞いていきたいと思います。今Sportipは何人くらいで事業されていらっしゃるんですか?

高久:業務委託などのアルバイトも含めると20名弱くらいになりますが、メインの社員は3名になります。

田原:3人の方はエンジニアですか?

高久:エンジニアとデザイナーですね。

田原:それと高久さんということですね。なるほど。採用もこれからしたいなという感じなんですか?

高久:そうですね。順調にいけば来月には2名ほど社員として加わっていただけるので、春先までには2倍くらいになると思います。

田原:今活躍されているエンジニアやデザイナーの方はやっぱりスポーツが好きな方ですか?

高久:エンジニアはすごいスポーツが好きで、それこそ全国大会に出たりもしていました。ですがもう一人は全然そういうわけではなくて、最先端の技術が好きなメンバーです。

田原:新しく仲間になってほしい方はどんな方がいいとかありますか?

高久:そうですね。今言った要素が大きいんですけど、一つはスポーツやフィットネスとかの領域に共感してくださる方ですね。これは最もいいなと思います。もう一つは我々非常に新しいAI、ディープランニングということをやっているのでそういうところに携わりたいとか、社会にプロダクトとして提供したいという思いを持った方がいいなと思っています。

田原:なるほど。では今は絶賛採用中ということですね。採用している職種はどのようなものがありますか?

高久:短期的には、AIエンジニアとiOSエンジニア、営業の人材というところが今社員で募集しているところです。ただ、来年の今の時期くらいまでにはほぼ全方位で募集していこうと思っているので、気軽に応募していただければと思います。

田原:興味ある方はどういう風にアプローチすればいいでしょうか?

高久:そうですね。私のツイッターやフェイスブックなどのSNSでDMをしていただいてもいいですし、Wantedlyなどの他の媒体でも出しているのでなんでも大丈夫です。

田原:直でもOKということですね。

高久:はい。絶対返信します。

田原:これから仲間も増えていく予感がして、会社も変わっていくんじゃないかなという感じがしますが、最初はお一人で立ち上げたんですか?

高久:そうですね。私一人で立ち上げて、今いないメンバーと一緒にやっていました。

田原:やっぱりスタートアップだから立ち上げ期は色々ありましたよね。

高久:その時はスタートアップにあまり向かない人とやっていたんですね。僕自身がやりたいことに対してあまり共感せずにやっていたところがあったので、そこで別れてしまったのは、逆にお互い良かったのかなと思いますね。

田原:自分に合った方向に行くという方が幸せになれますもんね。スタートアップに向いている方ってよく聞くんですが、高久さんが思うスタートアップに向いている、ハマりそうという方の特徴とかありますか?

高久:今の段階で僕がわかっていることとしては、何か実現したいものがある人ですね。僕らはビジョンとしては動きの指導、例えばスポーツ、フィットネスやリハビリみたいなところで、一人にひとつのAIコーチを提供しようとしている会社ですが、今までにないことをやろうとしているので、そういうものを絶対実現したい、そういう仕事がしたいという強い思いがある人が、僕らにとって適しているし、スタートアップに適しているのだと思います。

田原:そうですよね。スタートアップは結構色々大変なことも多いですし、自分で考えて積極的に行動しなければならない部分もあると思うので、そういう思いがないとくじけちゃうというのもやっぱりあるかなと私も思いますね。

今まで例えば、どんなことが辛かったですか?

高久:メンバーの離脱とかは、その瞬間はやはり辛くないと言ったら嘘になりますね。

田原:そうですよね。でも新しい仲間も増えて、これからより強くなっていくという感じですかね。先ほどもおっしゃっていましたが、高久さんはずっと野球をされていたんですよね?これはプロを目指してとかそういう感じですか?

高久:プロはどうかなと思っていたんですけど、甲子園にすごく行きたかったんですよね。もちろん大学やその先でもやろうと思っていたんですけど、病気でできなくなってしまったというのがあって、この世界に飛び込んできたという感じです。

田原:怪我の時はすごい悲しかったりとか悩まれたりとかしたと思うんですけど、でも今となってはそれは凄くいいというか、今こうしてビジネスができているのは怪我のおかげでもあったということですよね。

高久:そうですね、本当にそう思います。私自身一生懸命野球をやってきたので、この課題に気づけましたし、チャレンジできていると思います。なのでよかったと思います。実は大学在学中にもカンボジアのオリンピック委員会と一緒に仕事したりとか色々な経験をさせてもらったんです。その中でも全世界に共通の課題があるなということで、私は教員になるわけではなくてサービスを作るということにしました。

田原:なるほど。教員もとても大事な存在ですが、、自分の範囲でしか変えることができないですもんね。

高久:おっしゃる通りです。

田原:アプリを作ると、どんな人でも変えられちゃうという利点もありますよね。このアプリも世界に持っていこうという感じでしょうか?

高久:そうですね。それこそ先ほどお話にあったようにGESAは今度ロンドンでコンテストがあります。

田原:そうなんですね!?

高久:はい。ありがたいことに日本代表みたいになっちゃったんですよ。

田原:スポーツ選手みたいですね!じゃあこれからロンドンであるんですか?

高久:1月の末ですね。私はいかないんですけど、別のメンバーが行きます。

田原:そこでSportipを広げていってという感じですね。じゃあロンドンの方も使うかもしれないですよね。

高久:今後はそうですね。ただ私たちがメインで置いてフォーカスしているのはアジアです。それこそ最近孫さんもおっしゃっていましたけど、アジアが一番人口が多いんですね。そこでスポーツ、フィットネスのプラットホームを作れれば、売り上げだったりとかという面でもっとも我々にとって貢献度が大きいので、まずはアジアということでやっていきます。今年の夏には台湾の方に行ったりしようと思います。

田原:台湾いいですよね。なるほど、アジアも含めて展開していったりするんですね。アプリだから英語版にすれば色々な方が使えますもんね。

絶賛採用中ということもありますので、ぜひSportipに興味がある方がいらっしゃいましたら、直でのアプローチもOKということですのでぜひしてみてください。

3.Sportipの目指すものとは!気合論では成し遂げられないAIを使った新サービス!

田原:Sportipではこれから人数も増えたりとか、色々リリースも控えていたりとかあると思うのですが、Sportipを今後どんな会社にしたいといった高久さんの夢や展望を聞いてもいいですか?

高久:我々はミッションが一人にひとつコーチを提供するということです。ひとつと言っているのは、人ではなくAIで一人にひとつ効果的な指導ができるトレーナーをつけようということなんですが、その領域というのをスポーツとかフィットネスとかリハビリのほか、楽器演奏など動きを伴う全てにおいて展開していきたいと思っています。

田原:楽器演奏までですか!?

高久:そうですね、楽器演奏もやりたいです。私自身スポーツをするのがすごい好きで、プレイヤーを支援するサービスを作りたいという思いが凄くあるんですが、それは楽器演奏者も一緒だなと思うんですね。

田原:なるほど。スポーツ、フィットネスとあってリハビリもその延長な気がしますが、楽器も来たのでちょっと面白いなと思いました。私も、昔フルート吹いていたので楽器は凄く好きなんですよね。でも楽器の教え方って難しくないですか?

高久:今多分研究自体あまり行われていなくて、音楽教室とかで聞くと「もっと気合入れろ」といった感じが多いと聞くんですよね。そこでしっかり音と体の動きというところを読み取って、指導に何か生かされるところがあれば面白いなと個人的には思っています。楽器についてはですけど(笑)

田原:これからの構想として描いているということですね。高久さんは何か楽器をやっていたのですか?

高久:いや全くやってないです(笑)音楽が一番苦手でした。リコーダーですら苦手でした…

田原:気合入れろ!と言われても?

高久:そうですね、センスがないので…(笑)

田原:センスも関わってきますよね。ダンスとかそういうのとかも教えてもらえたりするんですか?

高久:ダンスとか体操とかは比較的親和性高いと思っています。やっぱり正解があったりとかそういうものは体に応じてケアできるのでいいと思いますね。

田原:実は私、ダンスもやっていたんですけど、見よう見まねでやるんですが人それぞれ違ったりするじゃないですか。なので振りを覚えるのがすごい苦手でした。でも気合でやっていましたね(笑)

高久:なんでもそうなんですよね。やっぱり気合とか根性論みたいになっているんですけど、あまりそういうのはよくないと思うんです。怪我をしてしまったりですとか、なかなか上手くなれずに時間だけ使ってしまったりするので、やっぱりそこを解決したいなと思います。我々は今AIを使って体の外側、要するに体の角度が何度とかの解析をやっているんですけど、来年以降は体の内側の方に着手していきます。まだ詳しくは話せないんですけど、そういう面白いこともやっていきますね。

田原:いやー楽しみですね。今まだ話せないところもあると思うんですけど、来年になったら色々注目していくと、こんなのも出したんだ!という感じになりそうですよね。

高久さんはスポーツ、野球をやっていたということですが、趣味とかで今も続けているんですか?

高久:やってないですね。野球に関しては血行障害という手に血が流れにくくなる病気になってしまったので、例えばボールを打つ瞬間とか取る瞬間で痛みが出てしまうんです。なので今はやってないですけど、やりたいですね。軟式野球くらいだったらできるかなと思います。

田原:じゃあ今は仕事が忙しいという感じですかね。会社設立されて1年ちょっとですか?

高久:1年2ヶ月ちょっとくらいですね。

田原:自分で設立されているので、経営のことだったりとかそういうのもやりながらですから、一番激動の1年でしたよね。

高久:そうですね。

田原:あとは今後やっていきたいことはありますか?

高久:今はBtoB向けでフィットネストレーナーをアシストするAIを作っていますが、その先にBtoCで実際に通常のトレーニングを行う方たちが喜ぶようなプロダクトを、オフラインでもオンラインでも実現できるようにしていきたいと思います。

田原:なるほど。具体的にはアプリじゃなくてもその場で、みたいなことですね?

高久:そうですね。その第1弾が先ほどお話しさせていただいたランニングのコーチングサービスです。そういう形になるということですね。

田原:なるほど。目に見える形で、その場に行ったら一緒にトレーニングできるみたいな感じですね。なんかそこでコミュニティもできそうですよね!実際にそこに行って皇居ランする仲間ができたりとか、そういうのも楽しめそうだなと聞いていて思いました。

高久:そうですね。ランニングは結構各地で「〇〇マラソン」とかっていうのをやっていると思うんですけど、そういうところでコミュニティができて楽しめると思います。これはフィットネスも全く同じだと思っているので、コミュニティを作って続けられるようにサポートできたらなと思っています。

田原:一人だとなかなか続かない例もあると思いますし、楽しんで健康に気をつけていきたいですね。ありがとうございます。

ではそろそろまとめていきましょう。高久さんから告知事項をお願いします。

高久:12月にフィットネスのトレーナー向けですがアプリを出します。なのでアプリの開発はもちろん今後も続いていきますし、スポーツやリハビリと行った方面にも展開していきますので、先ほどお話しした通り営業だったりとかAIやiOSのエンジニアの採用を定期的に行っております。もし興味があればWantedlyでも私のSNSでもいいので直接ご連絡いただければと思います。

田原:ありがとうございます。SNSはツイッターとフェイスブックですかね?

高久:はい。どちらでも大丈夫です。

田原:ぜひみなさんチェックしてみてください。そしてこれからもイベントへのご登壇だったりとかリリースが増えていくと思いますが、是非みなさん注目してみてください

さて本日お越しいただきましたのはSportipの高久さんでした。パーソナリティはビジネスタレントの田原がお送りしました。バンドオブベンチャーズ、次回もお楽しみに!