前田ヒロさんオススメの、SaaSサービス8選

2019.12.11

学生時代にインディーズミュージシャン向けのサービスで起業を経験。新卒入社したBEENOS株式会社での投資部門立ち上げを機に、投資家としてのキャリアをスタート。現在は、BEENEXTが運営するALL STAR SAAS FUNDのManaging Partnerとして国内外のBtoB SaaSのスタートアップへ投資を行なっている。

第1弾、第2弾のテーマは、前田さんの歩んできたキャリアやSaaSの魅力について。
第3弾の今回は、前田さんが愛用するSaaSのサービスについて伺った。

SaaSの波が来た

-スマホに続いてクラウドのブーム(SaaSブーム)が到来しているように感じるのですが、前田さんご自身は今の状況をどのように考えていますか。

クラウドの普及は、スマホ登場に次ぐパラダイムシフトの転換だと思いますね。クラウドを通じたサービス提供が活発になりましたし、サービスを通じて情報の集約をすることが一般的になってきたと思います。また、クラウドの普及によって、機械学習を応用した新しい価値提供の仕方にも注目が集まるようになりましたね。

前田さんのおすすめサービス8選

-そんなクラウドブームの中で、SaaS投資家として活躍されている前田さんがおすすめするSaaSサービスを教えてください。

たくさん使っているサービスがあるので迷いますが、個人利用で課金しているサービスはこんな感じです。

コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティングに強みを持った統合型プラットフォームとして知られるHubSpot。CRM(顧客管理機能)ツールとしても汎用性が高く、有効活用する企業も多い。

“僕は、営業管理ツールとしてHubSpotを使ってます。日々の仕事で経営者の方にお会いすることも多く、お問い合わせもたくさんいただくので、HubSpotで営業関連のコンタクトマネジメントをしています。営業1件1件を自分で管理するのが大変なので、助かってますね。”


無料から使えるメール配信サービスMailchimp(メールチンプ)。直感的なHTMLのメールデザインから、WordPress、HubSpotなど主要なサービスとの連携も簡単に行える点が魅力。

“Mailchimpはメールマガジンを配信できるMAツールなのですが、多機能で汎用性が高いのですごく便利ですね。SaaSプロダクトも細分化されていく中で、MAツールとしての機能を徹底的に尖らせているので、サービス自体が洗練されていると思います。会社としても、VCからの調達なしで売上高700億円に到達しそうなのも凄いです。”


「THE FASTEST EMAIL EXPERIENCE EVER MADE」史上最速のEメール体験をコンセプトにしたメールアプリ。起動、検索、メール送受信を高速化。さらには、操作がしやすく、デザインも綺麗でユーザーペインを考え抜いた設計がされている。

“まだβ版のサービスで、イメージとしてはgmailのようなメールクライアントです。メールクライアント自体は、Eメールがそこまで盛んではない時代に作られたんですよね。でも、今は1日100通くらいは平気でメールが届く時代。にも関わらず、それに合わせたメールクライアントがなかなか登場しなかったんです。そんな流れの中で、つまり100通のメールが届く前提で、UI・UXを設計したメールクライアントがsuperhumanです。実際に使って見ないとイメージが湧かないと思うので、是非トライしてみてください。”


ちまたでは有名な英文校正ツール。正しい文法で書くことができているか、間違っている場合には、どのように訂正するのかを提示してくれる。ビジネス利用に留まらず、勉強目的での利用も活発だ。

“自分が書いた英文をサクッとチェックできるので便利ですね。海外の経営者とのオフラインでのコミュニケーションも多いので、頻繁に活用しています。英文のチェックツールとしてはUI・UXが整っていて直感的操作できるので使いやすいですね。”


オンラインストレージサービスとして有名なDropbox。ファイルやデータなどを格納するストレージをインターネット上で提供してくれる。インターネットの環境さえあれば、どこからでもアクセスできるため、非常に利便性が高い。

“外出先で資料を見ることが多いので、Dropboxがない生活というのは考えずらいです。シンプルで使い勝手が良いからこそ、これだけユーザーに浸透しているのでしょうね。”


言わずと知れた最も有名なノートアプリEvernote。テキストを書くだけにとどまらない、様々な用途で利用ができる多機能性が魅力。URL一つでノートを共有できる機能も便利だ。

“僕は、全てのメモをevernote上に記録しているので、外部記憶装置のような働きをしてくれています。Evernoteは一度ローカルに落とすので、検索がすごく早いんですよね。僕は検索機能を重宝するので助かってます。”


オンラインweb会議ツール「Zoom」。高画質で高音質、さらには動作も安定している。1クリックで繋がり、1-Clickで録画ができるため、操作性も高い。データ通信量が小さく様々なデバイスから利用できるのも、ビジネスマンに嬉しい特徴だ。

“オンライン会議はZoomが一押しですね。画質・音質含めてサービスのクオリティが高いのはもちろんですが、日程調整機能も便利なんです。Googleカレンダーとの連携も抜群で使いやすいんですよ。”


1Passwordは、ログイン時に必要なユーザーIDとパスワードを自動入力してくれるアプリ。自分だけが知るパスワードを1つ管理するだけで、高いセキュリティーを得られる。

“今のビジネスマンの方々って、数えきれないくらいアカウントの数を持っていますよね。そうすると、パスワードを忘れるってことが簡単に起こりうると思うんです。僕自身も、アカウントの管理が大変な一方で、高いセキュリティが欲しいので1password愛用しています。”


ここ数年は、全部のSaaSサービスを使うくらいの気持ちで色々と試しています。最近は、SaaSサービスが普及して、数年前に比べると本当に便利になったなと感じることが多くなりましたね。これだけSaaSサービスが発達してきた今だからこそ、SaaSサービスとうまく付き合えれば、みなさんのビジネス戦闘力が上がると思います。

コンテキストの理解という難題

-最後に、前田さんの考える「こんなサービスがあったらいいな」と思うSaaSのサービスについて聞かせてください。

コンテキストを理解して、次のアクションを誘導してくれるサービスがあると助かります。例えば、僕が今東京駅にいるとして、渋谷にある目的地を目指すとします。そのコンテキストを理解して僕のカレンダーを組んだり、リマインドをしてくれるようなイメージのサービスです。あとは、僕はいつも大体5時ごろ家に帰るので、そのタイミングでクーラーをつけてくれるサービスも当てはまりますね。生活のコンテキストを理解して、自動でクーラーをつけるというアクションを誘導しているわけです。

はじめは、1つのサービスではなくて、色んなサービスとして細分化されていきながらも、最終的には1つのサービスとして連携すると最高ですね。コンテキストの理解は、いろんな会社が挑戦しているので今後の大きなテーマになりそうです。