同調圧力が日本をダメにする。言語化し、プレゼンし、スタートアップは成長する。

2019.04.25

プレゼンのスペシャリストとして様々な年代から支持を得る澤 円(さわ まどか)さん。生命保険IT子会社の文系エンジニアとしてキャリアをスタートさせる。その後、外資系テクノロジー企業へ転職。同社では、情報共有系コンサルタント、プリセールスSEを経て、現在はテクノロジーセンターのセンター長を務める。 

近年では、上述の業務と並行して、幅広いテクノロジーの啓蒙活動を行う傍ら、数多くのベンチャー企業でメンターとしても活動する。今回のインタビューでは、そんな多忙な毎日を送る澤さんが、いま最も熱を入れて取り組んでいるベンチャー支援についてのお話を伺った。

はじめてのベンチャー企業との接点はビズリーチ。マンションオフィスに衝撃を受ける。

様々なメディアに引っ張りだこの澤さんですが、今回のインタビューではベンチャー支援家(メンター)としての一面についてお伺いします。まず、ベンチャー支援を始めた経緯について教えてください。

ベンチャー企業の支援を始めたのは2010年頃で、ビズリーチのピザパーティーに参加したことがきっかけですね。当時、ビズリーチでアルバイトをしていた私の妻から「とっても面白い人達がいるから会いに来て」とお願いされて、オフィスへ伺うことにしたんです。社員数名の黎明期のベンチャー企業と接点を持ったのは、実はビズリーチが始めてでした。というのも、今まではエンタープライズ(大企業)のお客様を対象にしたお仕事が中心だったので、ベンチャー企業と出会うきっかけが機会がなかったんです。

実際にオフィスを訪れてみると、様々なバックグラウンドを持った社員が小さなマンションの一室にこもってサービス作りに没頭している光景を目にしました。大企業で育った僕からすると「こんな世界もあるのか」と、初めて目にした時は衝撃を受けましたね。

オフィス訪問した際に、創業メンバーの方々からお話を伺っていると、「組織が大きくなってきて、マネジメントの仕方がわからない」という相談を受けました。僕自身、大手の外資系企業でマネージャーを務めていたので、チーム作りやマネジメントの話ならノウハウを提供できると思いサポートを始めたんです。その後は、2週間に1度、1回90分の講義形式で、マネジメントの話から経営指標の可視化やプレゼン研修まで、多岐に渡るコンテンツを提供するようになっていきました。

このような形でビズリーチの支援を始めたことがきっかけで僕のキャリアが分厚くなったことはもちろんですが、今まで自分が積み上げてきたノウハウを言語化して提供することに価値があると実感しました。そして、何よりもサポートを通じてベンチャー企業が成長していく様を間近で見届けることができるこの仕事は、僕の人生にとっても大きな財産になると思ったんです。それ以来、黎明期のビズリーチのように、まだ組織としては何も確立していないけど、人を惹きつける個性を持ったベンチャー企業を支援しています。

サポートは「言語化」と「プレゼン」ノウハウ。発信力が成長の鍵。

「言語化」や「プレゼン」のイメージが強い澤さんですが、ベンチャー企業を支援する際には、どのようなサポートを提供しているのでしょうか。

得意なサポートは「言語化」のお手伝いと、「プレゼン」のノウハウ提供ですね。ただ、ベンチャー企業から求められている役割やその企業の成長フェーズに合わせて柔軟に提供するサポートを変えています。このような形でサポートができるのも、僕自身がエンタープライズのお客様の様々な経営課題にテクノロジーサイド全般から触れてきたからです。だから、基本的には自分の引き出しの中から何かしらのサポートができます。

例えば、言語化のサポートであれば、素晴らしい「ミッション」や「ビジョン」を掲げているのにそれを上手く言語化して発信できていないベンチャー企業に対しては、上手く発信するために不足している部分を明確にするための壁打ちの相手になります。

また、自分の一つのソフトスキルであるプレゼン手法のノウハウを提供することも多いです。プレゼンは、「何を伝えたいか」、「どのような効果を上げたいか」を考えた上で、相手に伝わるようにプレゼン全体をトータルでプロデュースすることが重要です。そういった意味では、プレゼンにはビジネスの要素が数多く内包されています。特に、ベンチャー企業の場合、会社そのものをプレゼンする機会がたくさんあります。その場合は、会社全体を俯瞰的に捉えて、それを言語化してプレゼンに落とし込む必要があります。だから、プレゼンを通じてより自分の会社全体を見直すことができて、思考の整理にも繋がるので支援先からは喜ばれますね。

最近では、ビズリーチの新卒研修のサポートなども担当させて頂いたり、ヘルスケア系ベンチャー企業のFiNC(フィンク)のセキュリティのアドバイザーを務めたりもしています。

こんな感じで、それぞれの企業のニーズに合わせて、様々な役割でベンチャー企業にメンターとして携わっています。

また、僕がベンチャー起業の起業家からお話を伺う際は、話の中で何か力になれそうなことが見つかれば、「この部分なら僕も経験あるので手伝えますよ」と、こちらから提案するようにしています。というのも、自分が実際に経験したことをベースにしたサポートは、ベンチャー企業の現場でも再現性高く実行できることが多いです。だから、成長曲線のベクトルを最大化するためにも外部の僕のような人間のサポートをうまく使い倒してくれると嬉しいですね。